緑内障を診断するための検査には、次のようなものがあります。
眼圧検査
眼球を外から押して、押し返す力を測ります。痛みはありません。
眼底検査
瞳から光を通して、目の奥(眼底)の状態を調べます。

視野検査
光の点が見えたらボタンを押して合図するなどの方法で、見える範囲や敏感さを調べます。
画像検査(OCT)
眼の中の網膜とよばれる部分の断面図を見ることができます。緑内障の早期診断などに有用です。
なおOCTとはOptical Coherence Tomographyの頭文字をとった略語です。日本語では光干渉断層計と呼ばれています。
その他の検査
視力検査や細隙灯検査、隅角検査などが行われます。
それぞれの検査の詳細についてはリンク先をご参照下さい。
緑内障の可能性が大きい場合
一般的な緑内障の検査や検診を受けて、「緑内障の可能性が高い」という結果が出た場合は、緑内障が疑われる次の3つの条件がそろっている可能性があります。
しかし、まだこの段階では、「緑内障である」とは断定できません。
緑内障を疑う3条件
- 1. 眼圧が高い
- 2. 視野が欠けている
- 3. 視神経に障害が出ている
日本緑内障学会 緑内障診療ガイドライン作成委員会:日本眼科学会雑誌 122(1):14, 2018
日本緑内障学会 緑内障診療ガイドライン作成委員会:日本眼科学会雑誌 122(1):15, 2018
そこで、さらに必要に応じて詳しい検査を行い、本当に緑内障かどうかを調べる必要があります。
緑内障の可能性が否定できない場合
一般的な緑内障の検査・検診などを受けて、「緑内障の可能性が否定できない」と診断された場合は、緑内障が疑われる前述の3つの条件のいずれかに当てはまることになります。
そこで、さらに必要に応じて詳しい検査を行い、本当に緑内障かどうかを調べる必要があります。
緑内障の可能性が少ない場合
一般的な緑内障の検査・検診などを受けて、「緑内障の可能性は少ない」と診断された場合は、緑内障ではなく、近視、遠視、乱視、老眼や他の原因があって目の調子がおかしかったケースなどが考えられます。
その場合は、医師からあなたに必要な治療や生活指導などのお話しがありますので、詳しく聞いてください。
*「緑内障の可能性は少ない」と言われたからといって安心せずに、40歳以上の人は年に1回は眼科検診を欠かさずに受けるようにしましょう。
詳しい検査
緑内障の原因を調べ、どのタイプの緑内障なのかを検討します。今後のあなたに合った適切な治療方針を決定する、重要な検査です。場合によっては、入院して検査を行うこともあります。
- ● 眼圧の日内変動(1日のうちで一番眼圧が高くなるのは何時頃か、その時の眼圧は?日が変わると眼圧は変わるか?など)
- ● 視野の検査(視野が欠けている位置を細かく確認します)
- ● 網膜の厚さや視神経の形などの検査(眼底の写真を撮って解析します)
- ● 隅角検査(角膜と虹彩の角度の検査)
詳しくはこちらをご覧ください
検査をいくつか行ったのですが、結果がなかなか出てこないので、何となく不安です。よその病院にうつった方がいいのでしょうか?
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緑内障をきちんと診断するためにはいくつかの検査が必要です。医師はそれらの結果を総合して、
患者さん1人1人に合った治療方針を決めていきますので、少々時間がかかることがあるかもしれません。
検査の結果が出るまでは、病院を変わらないほうがいいでしょう。もし不安があれば、何でも遠慮なく主治医に話して下さい。
なぜ検査ばかりで、治療が始まらないの?
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緑内障は、これから一生付き合っていく病気です。そのためには、自分の緑内障の性質をよく知らなければなりません。例えば、眼圧が高い時間帯はいつなのか、一番高い眼圧の値はいくつくらいなのかなどをよく調べ、あなたに合った適切な治療方針を立てる必要があります。また緑内障の症状が進行するか、或いは進行しないかを判定するために、しばらく無治療で経過をみることもあります。
はじめから安易に治療して眼圧を下げてしまうと、間違った判断を下してしまう可能性もないとは言えません。こういうわけで、詳しい検査をしてから治療が始まることが多いのです。大切なのは今、眼がどういう状態かを知っていることです。疑問があれば主治医に聞いてみましょう。